500日のサマー
500日のサマーは2009年のアメリカ映画。監督はマーク・ウェブ。
ミュージックビデオで有名な監督の長編映画デビュー作。
ノリの良い音楽とライトで誰にでも入り込みやすい恋愛が多くの人を惹きつけたヒット作。日本での人気もとても高いわ。
映画の最初にあるように、ロマンティックな恋の偶然を探す男女が出会うボーイミーツガールのお話だけど、これはロマンティックな恋のお話ではなく、「恋愛観」のお話。
最初の仕掛けは、サマーとトムの出会いが、ロマンティックなものだと見せかけて、実はトムがサマーを気にするようになったのが白いシャツからチラリと覗く胸元であること。
本当にさりげないカメラワークだから女性だと気がつかないかもしれないわ。
そう、この映画の最大の仕掛けは、男女の感想が全然違うこと。
(後で喧嘩にならないなら)ステディと一緒に見るのにもってこいな映画な。
互いの思う「ロマンティックな恋」通りにいかないと摩擦が起きる男女あるあるが延々繰り広げられてもやもやするわ。
傷ついてもすぐに仲直りのキスで元通り。の繰り返し。
そして、
「もしかしてこれは相手のことが好きなのではなくて、恋をしている時のキラキラした気持ちが忘れられないだけなのでは。」
と気づいても、恋愛は一度はまると抜けられない中毒のようなもの。
そして恋で負った傷は恋でしか癒えなかったりするから人間は何歳になってもすったもんだを繰り返すのかもね…。
そんな哲学を踏まえると、最後のシーンでのトムの行動は実に清々しいわ。