「百合映画」完全ガイド
星海社さまから「『百合映画』完全ガイド」をいただきました。
実は同人誌版の「百合映画ガイド」を読んで「完全」の書籍化も楽しみにしていたので嬉しいです。
表紙がもうすっごくかわいい。
志村貴子先生さすがすぎます。
この本が百合映画ガイドだからといってイラストの映画を観てる2人の女の子が百合なのかはわからない。それがイイ!
序文の論旨のように「百合」は観るものによって決められるということを表紙が肯定してくれるようにも思えます。
「完全」だけあって中身のボリュームが何よりすごい。アニメが少ないのは実写でページを使いすぎたから?
1930年代から2018年までの邦画、洋画、アニメ映画をピックアップ。
「櫻の園」のような王道から執筆者の偏執的妄想としかいいようがないものまで。
でも大丈夫、百合は見る人に委ねられるのだから…。
優しい世界。
百合界にカップリング戦争を見ないわけがわかりました。
他に特筆すべきは執筆者の多様さ。
映画に特化したレビュアー揃いだけど、
性別、年齢はもちろんそもそも何を書くかという態度からしてそれぞれまったく違うのが面白いところ。
とりわけ「エモさ」にフォーカスし、観た映画の感想を友達と話すみたいに語る人、時代とジェンダー観を検証する人、レビューをしながらこの本の総括(!)を試みる人。
対談という形式を一切とらずに各々の分野で話す感覚が新しく感じました。
それにしても、夢中で全部読んだら気になる映画が増えすぎてしまいました…。
しかもソフト廃盤・未配信率が高くて穏やかじゃない!
気付いたら本はふせんだらけですが、ガイドブックらしさが増して愛おしいです。
こうして観たい映画ばかりが積み上がってゆくのもまた、アイカツなのではないでしょうか。