霧矢あおいの日々シネマ

女優・霧矢あおいの映画ライフ

家族ゲーム

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家族ゲーム」は1983年に公開された松田優作主演の映画。
監督、脚本は森田芳光

原作は1981年に出版された同名小説で、この映画の前にテレビドラマも作られ、映画の後も2回リメイクされているわ。

次男の受験勉強でピリピリした空気漂う沼田家に松田優作演じる大学7年生の家庭教師が訪ねてくるストーリー。

題材の1つとして挙げられる、神奈川県の少年金属バット両親殺人事件。劇中に2回「バット殺人」という言葉が登場して、当時この事件がセンセーショナルだった事、事件後の親は子供の暴走に怯え、子供はお受験ブームに疲れていた背景が見えてくる。

家族ゲーム」というタイトルは、当時大ブームだったファミコンを想起させるもの。
映画のシニカルさとコミカルさも伝わる良いタイトルよね。


主人公が憧れる大阪万博のジェットコースターやチョイ役のアイドルなど、俯瞰して描かれる時代感に独特の味があるわ。


もっとも注目すべきは家族の描写。

家族の実在感を浮き立たせるのに、「その家族独特のルール」を作ることはポピュラーな方法。これに加えて舞台装置としての役割も発揮した、スライド式お惣菜テーブルは森田監督ピカイチの発明。

 

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さらに、松田優作が加わると、なぜか最後の晩餐の構図に。

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有名な長回しの最後の夕食シーンの後の、様々な解釈がなされるラストシーン、わたしはシンプルに時代の総括ではないかと思う。

背景に度々出てくる大規模な開発工事が行われる港からもわかるように、建設と破壊の時代であること。そして、それが発する音の不安感。

ラストシーンのヘリコプターの破壊音のような響きは、どこまでも平坦な「ホームドラマ」の終わりを暗示しているんじゃないかな。